10分でゾッとする恐怖体験が楽しめる番組『怖い絵本』(NHK Eテレ)の新シーズン『怖い絵本 season4』が2022年1月7日(金)に放送される。同番組は、身近に潜む恐ろしい話や不思議な話を書き下ろした絵本を、注目の俳優が朗読し、それに関連した短いホラードラマを注目の俳優が演じる10分の番組。2020年11月にシーズン1、21年3月にシーズン2、21年8月にシーズン3が放送されるとSNSを中心に話題になった。今回放送のシーズン4で「えほん遠野物語かっぱ」の朗読とミニドラマに挑戦した俳優・板垣李光人にインタビュー。番組の収録を終えた感想や、怖い話や絵本に対する思い出を教えてもらった。
取材・文/於ありさ
(C)NHK
初めての声だけの芝居「どう表現するのか注目」してほしい
──すでにドラマパートの撮影は終えたとのことですが、撮影の感想を教えてください。
ほどよい感じの怖さで撮影して楽しかったです。でも、プールの中にいる何かが迫ってくるシーンは、想像力で補わないといけなかったのは大変でしたね。
──朗読パートの収録はこれからとのことですが、意気込みを教えてください。
声だけの芝居は、これが初めてなので、僕が声だけでどう表現するのか注目していただけたらなと思います。ぞくぞくするような低さだったりとか、抑揚の感じだったりとか、ちょうどいいところを狙っていけたらなと思っているので、うまくできたらと思っています。
──全体を通して、どのように仕上がることを期待していますか?
なんといってもドラマ部分と絵本の朗読部分が、どのように組み合わさって、どのように怖くなるのかが楽しみですね。ドラマ部分に関しては、カメラマンの方が潜ってプールの中から僕を撮影したシーンや、独特なライティングもあったので、そういうところがどのような映像になるのかワクワクしています。
ホラーは苦手だけど「指の隙間から見ることはあります」
──今作の原作「えほん遠野物語かっぱ」を読んだ時の感想を教えてください。
自分が想像していた河童とは違う点が多くありました。例えば、遠野物語の中では、河童は赤いんですよね。それに、ラストも意外な展開で…。シンプルに物語としても、おもしろいなと思いました。
──もともと「河童」については、どんなイメージを持っていたのでしょう?
あまり怖いイメージはなかったんですよね。キュウリが好きで、寿司が好きみたいな。だから、怖い感じなのが意外だったんです。それに小さい頃にテレビで「衝撃映像」の特集をされていた時に見た記憶があって、だから小学生くらいまでは実在すると信じていました。
──もともとホラーやオカルト系のジャンルはお好きなんでしょうか?
いえ、あまり得意ではないです。でも、怖いもの見たさみたいなところもあって、誰かがプレイしているホラーゲームのゲーム実況を指の隙間から見ることはあります。夜に見ると怖くなっちゃうので、明るい時間帯に見ますけどね(笑)。
──これまでに「怖い」経験をしたことはありますか?
自分が体験したことはないです。ただ、通っていた小学校に、すごく大きな恐竜の標本があったんです。ナイトミュージアムみたいな。それを暗くなるのが早い冬の時期に見るのが怖かったのは覚えています。
絵本のおもしろさを再確認
──「えほん遠野物語かっぱ」の中で好きなシーンを教えてください。
河童の手が大きく描かれているページです。僕自身、絵を描くとき、手の形や細さにこだわることもあって、良い手だなと思いました。爪の形や細さ、水かきの感じ、赤にピンクと濃紺が混ざっている色味が良いんですよね。大人になってからは絵本を読む機会が減ってしまったのですが、今回久しぶりに読んだら、絵を見るのが好きということもあり、楽しいなと再確認できました。
──板垣さん自身は、アート制作をして発信されていらっしゃると思うのですが、もし絵本を作られるとしたら、どのような作品を作ってみたいですか。
自分の描く絵との相性という意味でも、今回のような日本の妖怪や都市伝説をテーマにしたダークファンタジーな要素が入っている作品を作りたいです。
──幼少期からホラー系の絵本を読んでいたのでしょうか?
いえ、小さい頃はディズニーの絵本が多かったですね。その中でも、くまのプーさんの分厚い絵本は何度か読んだ記憶があります。仕掛けがあるタイプの絵本だったので、それが楽しかったんだと思います。
──2021年は板垣さんにとって、どんな1年でしたか?
主演ドラマや、2回目の大河ドラマなど、これまで以上にいろいろなことをやらせていただいた1年でした。役柄も幅広くやらせてもらい、役者としても表現の面でも、いろんな経験をして、成長できた1年でしたね。
──特に「成長したな」と思えた出来事を教えてください。
『ここは今から倫理です。』(NHK総合)というドラマで愛着障害を抱えた子の役をやったときですかね。今はSNSで気軽に感想が送れる時代ということもあり、多くの方から感想をいただきました。その時に、作品と視聴者の方を繋ぐことができる立場にいるというのを改めて感じて、役者としての自覚がより一層強まったんです。
──2022年はどんな1年にされたいですか?
2022年、20歳になるんですよね…。仕事において年齢はあまり関係ないと思っているのですが、10代からその先へという意味では大きな節目の年になることは間違いないと思っています。だから、仕事面では、改めて表現を磨いていきたいですね。あとは、共演している先輩方の中には、お酒に詳しい人もいるので、連れて行ってもらいたいなとも思っています。
──最後に「怖い絵本」を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
今回演じてみて恐怖の実態が見えないところが、今作の怖さだなと思いました。恐怖の残り香だけが、ずっとある感じ。そういうじわじわくる怖さを楽しんでいただけたら嬉しいです。あとは、時代もシチュエーションも全く違うドラマ部分と朗読部分がリンクするのもおもしろいと思うので、楽しみにしていただければと思います。
【Profile】
板垣李光人(いたがき・りひと)
●2002 年 1 月 28 日生まれ。「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日)、「約束のネバーランド」など、話題作に立て続けに出演。2022年1月7日から出演ドラマ『シジュウカラ』(テレビ東京系 毎週金曜深夜0:12〜放送)がスタートする。
【番組情報】
『怖い絵本 Season4』
●2022年1月7日(金)Eテレ
午後10時30分~午後11時00分(3本一挙放送)
投稿者プロフィール
- テレビ雑誌「TV Bros.」の豪華連載陣によるコラムや様々な特集、過去配信記事のアーカイブ(※一部記事はアーカイブされない可能性があります)などが月額800円でお楽しみいただけるデジタル定期購読サービスです。