ヨシモト∞ホールなどで活躍する人気急上昇中のお笑い芸人・ケビンスのトーク＆マンガエッセイ連載。コンビのネタ作りを担い、独創的な視点とイラストセンスを持つ仁木恭平が、快活なキャラクターで何かと注目を集める山口コンボイを主役にマンガを描き下ろします。仕事の幅が広がったという2023年を経て、芸歴11年目となる2024年、コンボイが掲げる目標とは？

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取材・文／釣木文恵
撮影／武石早代

第2話「ケビンスの2023＆2024」

なんかあっという間だった2023年

仁木　今回のテーマは「ケビンスの2023＆2024」。2022年は劇場の舞台ひとつひとつを大切にする年だったけど、2023年は劇場以外にも仕事が広がった年だったな。その分駆け足で頑張んなきゃと思ったし、だからコンビの話し合いも増えたし。いろいろあって楽しかった。……あー、でもどうだろ、2022年のほうが楽しかったかも。

コンボイ　あれ？ なんで？

仁木　2023年は自分たちの課題がいっぱい見つかったから。見つかるのはいいことだと思わなきゃいけないんだけどね。

コンボイ　俺はねぇ、2023年は、なんかあっという間だった！

仁木　それだけ（笑）？

コンボイ　うん！ ほんとに、2022年の1.5倍くらいの早さだった。いろいろお仕事できたよね。母校凱旋（新潟総合テレビ『八千代コースター』）の仕事もいただけたりしたけど……。

仁木　感慨深いよな。

コンボイ　感慨深くなかったんだよ！ 地元の高校生、誰ひとり俺のこと知らなくて！ チョキピース無視されて！ オンエア見たら俺、泣いてたぞ！ みんな俺のこと知ってると思ってたから…。勘違い野郎です、俺は。慢心してた。

仁木　だからウエストランドの井口さんにいろいろ言われるんだろ。

コンボイ　俺ら、すっかり井口さんの標的になっちゃったね(笑)。あと思い出深いことと言ったら、個人的には『R-1グランプリ2023』で準決勝に行けたことかな。ケビンスを組んだばかりの2021年頭に仁木くんが準決勝に進出して、「超おもしれえじゃんこの人！」と思って。俺はそれまで2回戦止まりで、“1、2、1、2”ってラジオ体操みたいな成績だったけど、2023年にようやく仁木くんと同じステージまで行けて、個人の力を少しでも見せられたかなって。

仁木　まあ、俺がいない大会だったからな。

コンボイ　それ、ファイナリストが言うやつ(笑)！

仁木　うーん、俺はね、2023年は周りのみんながテレビに出始めて、ちょっと焦りに拍車がかかったかもしれない。テレビに出るための技術とか能力は「いずれ獲得できたらいいな」くらいの感じだったのが、まずそれがないと呼ばれないなと思い始めて、普段のライブからより意識するようになった。あと、マユリカ、ビスケットブラザーズとのユニットライブ『漫才大家族』が始まったのはでかかったな。めちゃくちゃ面白い人たちと一緒にいると「面白くなきゃいけない」という気持ちを忘れずにいられるから。

コンボイ平場強化計画

仁木　未来に向けて山口コンボイの平場を強化しようということで、マネージャーさんと俺とでお金を出し合って『アメトーーク！』と『ロンドンハーツ』のBlu-ray BOXを20万円分買い与えようと思ってるんだけど。

コンボイ　俺の知らないところで、そんな嬉しいだけのプロジェクトが動いてた！

仁木　もらうだけじゃなくて、ちゃんと見ないとダメなんだよ？

コンボイ　じゃあ久しぶりに昔のネタ帳を引っ張り出して、感想を書こうかな。

仁木　いや、書かなくていいよ。コンボイは書いたらそれで満足しちゃうタイプだろ？ そうじゃなくて、見て受け取ったものを重視しないと。

コンボイ　でも書く作業がないと、俺たぶん甘えるぜ？ ながら見するぜ？ だからやっぱり（書くことを）セットにしたい。自分の中でやってる感を演出しないとさぁ。

仁木　その「やってる感」で終わるのが怖いって言ってるんだよ。

コンボイ　“形から入る”っていう勉強法のひとつじゃん。相関図とかも書いてさ。

仁木　なんだよ、相関図って(笑)。

コンボイ　バラエティの相関図。

仁木　……やばい。マジで金をドブに捨てることになるかもしれない。これはさ、「人の目を見て、話を聞く」と同じことだと思うよ。コンボイは「テレビを見て、テレビを見る」をやんないと。

コンボイ　「テレビを見て、テレビを見る」だぁ？ おい、ナメてんのか!?

仁木　コンボイって俺がネタの話をしているのに、俺の目を見ないで太ももを揉んだりしてるでしょ？ で、次にやった時に全然できないっていうことがよくあるじゃん。それと同じ。お前、普段「テレビを見ないで、テレビを見てる」だろ？

コンボイ　あー！（頭を抱える）……でもそうかも。確かに、「人の話を聞く」は僕の最大のテーマで。小学生のとき、3年間担任だった鈴木先生から「人の話を聞かないところがあります」って毎年通知表に書かれてた。

仁木　先生はお前のこと諦めなかったんだな。

コンボイ　だから鈴木先生に見せたい。人の話を聞いてる姿、そしてテレビを見てテレビを見てる姿を！　頑張る！

11年目にして1周目の目標!?

仁木　2023年を振り返ると、コンボイ単体のテレビ出演もいくつかあったね。

コンボイ　巨大扇風機の前でダンスを踊るロケをやらせてもらったとき（TBS系『良い子はマネしないでねバラエティ 特殊な訓練受けてますので！』）、水に落ちる俺のVTRをスタジオで見ていたアンガールズの田中さんが「面白かった、ちょっと嫉妬したわ」って言ってくれたのは、めちゃくちゃ嬉しかったな。

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