映画『ウェディング・ハイ』公開記念キャストインタビュー! 第4回に登場するのは、花嫁を奪いに来た元カレ・八代裕也役の岩田剛典だ。本編最大の笑いをかっさらった岩田。その雄姿をぜひ映画館で見届けてほしい。
撮影/横山マサト 取材&文/横川良明
1日目の篠原涼子さん記事はこちら
2日目の中村倫也さん記事はこちら
3日目の関水渚さん記事はこちら
目次
温泉のシーンは覚悟はしていました(笑)
――今回は岩田さんのパブリックイメージを破るシーンがたくさんありましたね。
これだけ振り切った役をいただけるのはうれしいですね。お話をいただいたときからやりたいなと思いましたし、現場でも本当に自由にやらせてもらえたので楽しかったです。撮影中もずっとスタッフさんの方から笑い声が聞こえて、笑いの絶えない現場でした。
――温泉のシーンはがっつり裸体も披露されています。あれは最初から台本に書いてあったんですか…?
どうだったっけ…。確か台本には書いていなかったんじゃないかな。でも、温泉のシーンということで覚悟はしていました。おいしくしていただいてありがたいです(笑)。
――大九明子監督の現場はいかがでしたか。
こういう画が撮りたいとか、こういう笑いがほしいとか、求めるものが明確で、わかりやすく説明してくださるのでやりやすかったです。作品もコメディで、僕の役もおいしいキャラクター。振り切るべきという認識はあったので、ちょっと変なやつが映り込んできたぞという印象を観客のみなさんに持っていただければと思いながら、思い切りやらせてもらいました。
――浅利陽介さん、前野朋哉さんという世代屈指の名バイプレイヤーとの掛け合いには大いに笑わせてもらいました。
自分で言うのもなんですけど、2人とは初日から息ばっちりでした。途中からどんどんアドリブも増えてきて。僕らのシーンに関しては台本に書いてある台詞より、台詞が終わったあとのやりとりの方が長かったんじゃないかな。誰かが仕掛けるというより、やっているうちに会話の流れで自然とそうなっていました。
これだけ笑いを求められる役は今まであまりなかったし、笑いってさじ加減を間違うと一気に冷めるところがあるので、そのバランスは難しかったですが、そこはもうみなさんを信頼しようと。僕はただもう監督に身を任せていました。
――コメディに向いているなという手応えはありましたか。
向いているかどうかはわからないですけど、純粋に楽しかったです。裕也は結構抜けてるところがあって、僕もそういうところがあるから入りやすかったし。ドタバタ劇ならではの沸点が高い感じも、わりと自分にもあるなと思いました。こういう作品でしか出せない表現もいっぱいできたので、それを楽しんでもらえたらうれしいなという気持ちです。
結婚式は、女性が気のすむようにやってくれたらいいです
――元カノの結婚式に行きたい心理は共感できましたか。
裕也はとにかく常識のない役なので、あまり共感できる人はいないと思いますけどね(笑)。でも、こんなことがあったら面白いよねというシチュエーションがいろいろと盛り込まれている作品なので、そこはもう自分も乗っかって楽しもうと。バカリズムさんの脚本も秀逸ですし、ダレるところがなく、最初から最後までずっとテンポがいい。初号試写のときもいち観客の目線で楽しませてもらいました。
――劇中で描かれる、結婚式を準備する上での男女のズレについてはどう思いましたか。
結構あるあるだと思うんですよね。僕はまだ経験していないですけど、自分がいつかやることになったら、きっと同じような感じになるんじゃないですか。
――岩田さんは、花嫁の思う通りに進めて欲しいというタイプだと思いますか?
そうですね。僕の方にまったくこだわりがないので。洋装がいいとか、和装がいいとか、なんにもない。だから、女性が好きなように、気のすむまでやってもらえればという感じですね。(笑)結婚式というイベント自体、僕は女性のものだと思っているんですよ。男の人からすると、ちょっとクールに見てしまうところってあるだろうし。
――確かに。このお金でもっと別のことができるのにと思っちゃいますよね(笑)。
そうそう、本当そう思っちゃうんですよね(笑)。僕自身がやるとしたら、親を喜ばせてあげたいとか、それくらいですね。結婚式って自分のためというより、今まで自分を支えてくれた人のためにあるんじゃないかな。
――岩田さん自身、結婚式の思い出は何かありますか。
やっぱり新郎新婦が主役ですから。2人を見て、いいなとはいつも思います。ただ、この映画みたいに楽しいイメージはないですね。どちらかと言うと、もうちょっと緊張感があって、あんまり砕けられない印象の方が強いかな。
――友人代表のスピーチをしたことはありますか。
スピーチはないです。でも、余興はありますよ。ずっとダンスをやってきたので、頼まれて踊ったことはありました。
昔は先輩に100回呼ばれたら100回行ってました
――今回、岩田さんの他に篠原涼子さん、中村倫也さん、関水渚さんの4人にご登場いただくのですが、この中でいちばんトラブルに強そうな人は誰ですか。
誰だろう。みんな強そうだけど、涼子さんは何があってもへっちゃらそうですよね。この作品と『金魚妻』で続けてご一緒させてもらいましたが、すごく優しくて、気遣いの人で、現場を盛り上げるムードメーカーの役を自分から買って出てくださるので、いるだけで安心感がある。涼子さんなら、不測の事態が起きても大丈夫大丈夫って乗り切っちゃいそうですよね。
――岩田さん自身はどうでしょうか。
僕はポーカーフェイスで人に伝わらないようにしますけど、内心はものすごくブルーになるタイプです(笑)。全然穏やかじゃない。パニックですよ。
――いま思い出すピンチやトラブルといえば。
僕の場合、昔の話ですけど、いきなり不測の電話がかかってきていたんですよ、先輩から。そうするとその日はずっと、何とも言えない気持ちになっていました(笑)。
――どんな電話なんですか?
基本的に、飲みに行こうという誘いでしたね。その場合、どんな予定があっても絶対に行かなきゃいけなくて。もちろん強制ではないけど、自分の気持ち的には絶対的な効果があったので(笑)。最近はみなさん結婚されたり、そもそも飲みに行くことができないので、そういう機会はなくなりましたけど、昔は100回呼ばれたら100回行ってました(笑)。
――岩田さんが後輩を誘うこともあるんですか。
少ないと思いますよ。そもそも人付き合いがそんなに得意な人間でもないので。ご飯に行くときは本当に気の合う何人かだけでひっそりとっていうタイプです。僕が後輩だった頃とは時代が違います(笑)。
――今となってあまり見られない光景かもしれません(笑)。
そうですね。当時も、先輩も次の日の予定を聞いてくれていたんですよ。でも「明日、なんかあるの?」と聞かれても「なんにもないっす!」と答えるしかできなくて(笑)。たとえ次の日、朝から仕事があっても、ギリギリまで付き合って、そのまま現場に向かったこともあります。平成から令和に変わって、いい時代になりました(笑)。
サバゲーでは、ガンガン敵に突っ込んでいきます
――では、全キャストの中で最もハイだった人は?
僕は役柄上、今回、あまりみなさんとご一緒できなかったですけど、一緒にいた時間が長かったという意味も込めて、浅利さんと前野さんのおふたりですね。3人のシーンはめちゃくちゃやりやすくて、3人ともナチュラルハイでした(笑)。
――岩田さんがハイになるのはどんなときですか。
この間のお正月はずっと寝られたので、それはもうハイでした。年末が本当に色んなお仕事が重なっていたんですよ。その上、年またぎでライブをやって。ライブが終わったあとって普通お酒が飲みたくなるんですけど、あのときはその元気すらなくて。体が2トンくらいあるんじゃないかというくらい重かったです。もう完全におじいさんみたいになってました(笑)。
だから、正月は夕方くらいまでひたすら寝てたんですけど、こんなにぐっすり眠れるなんて幸せすぎるなと、めちゃくちゃハイな気持ちになりました。
――演じた裕也は温泉が大好きですが、岩田さんがハマってるものはなんですか。
最近全然行けてないですけど、サバイバルゲームはここ数年ハマっていますね。サバゲーっていい運動になるんですよ。外で走ったり中腰で歩いたり、めちゃくちゃ重労働なので汗もかくし、気持ちいいし。スリルも味わいつつ運動もできて、自分にとっては一石二鳥。
――サバゲーって性格が出ません?
出ますね。僕はあんまり待てないので、やられちゃってもいいから自分から倒しに行くタイプです。誰とも会わずにゲーム終了になったときの切なさったらないですからね(笑)。だったら返り討ちでもいいので突っ込んでいきます。
映画「ウェディング・ハイ」
3月12日(土)ロードショー
出演:篠原涼子 中村倫也 関水渚 岩田剛典
脚本:バカリズム
監督:大九明子
配給:松竹
(c)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会
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