COMITIA138&第三十三回文学フリマ東京で気になったもの。

「コミティアとはプロ・アマを問わないマンガ描きたちが自主出版した本を発表・販売する展示即売会です。」

コミティアについて

「文学フリマとは入場無料の文学作品展示即売会です。小説、詩歌、評論・研究、ノンフィクションなど様々な文学作品を出店者が自ら手売りします。ジャンルも純文学からSF、児童文学からアイドル評論まであり、出店者・来場者の年代層も10代〜90代まで幅広いイベントです。来場者は見本誌コーナーで各ブースの作品見本を自由に立ち読みすることができ、ブースで作品を購入することができます。」

文学フリマの楽しみ方

【筆者プロフィール】
ふぢのやまい
●1994年生まれ。漫画研究。編著に『「百合映画」完全ガイド』、ZINE『霊障』。

                  
 コミティアにサークル参加しました。

                                    
コミティアは自主制作のオリジナルマンガを中心に、イラスト・小説・評論などなどを主に冊子形式で頒布される即売会です。冊子形式とありますが、ペーパーやディスク形式や単語帳のような形だったり、実際にはかなり多様な形式で頒布されており、そのあたりも商業媒体ではなかなかできない制作物となるコミティア独自の魅力にもなっているかと思われます。

                 
今回は東京ビッグサイト青海展示棟で開催される最後らしく、観覧車に近い会場との別れを惜しむ声もチラホラ。次回COMITIA139からは東京ビッグサイト東4・5・6ホールに戻るみたいです。

                                                


コロナ以前以降との違いは?と聞かれると、なかなか難しいのですが、正直入退場の煩雑さをのぞけば大きな変化はないのかな?という気もします。ただやはり参加に必要なチケットの役割を果たすカタログが発行を抑えているせいなのか、なかなか入手ができませんでした(自分も売り切れで買えず)。

 

今回のコミティアでは6月、9月の開催よりも感染状況が落ち着いていることもあり、前回までのように当日欠席するサークルによる空席が目立つような状況でもなく、本の売り上げの勢いがかなり伸びているように感じる声をまわりでは聞きました。実際、私自身も売り子をしながら「今回のCOMITIA138で久々にイベントに買いに来ました」というお話もチラホラ伺いました。最初から通販を告知しているような大手サークルでも(というかそうであるほど)、とにかくバンバン売れている状況だったように感じます。ただSNSでの告知も行っていないような極小サークルになってくるとなかなか手に取ってもらえず…という状況が続き、全く売れてないサークルは全く売れてない、そんな二極化が進んでいるような印象もあります。私個人の想像なのですが、要因としてサークル前での立ち読みを遠慮し合う雰囲気も影響しているのではないかと感じました。会場での見本誌スペース、見本誌読書会の縮小などもそのあたり影響しているのかもしれません。いずれにせよ「読んで面白かったから買う」ではなく「読んだことあって知っているor聞いたことがあるから買う」がもっと強くなっているような(そんなに関係ないのかもしれません。そもそも14時以降は撤退するサークルばかりですし…)。


マンガ


おそらく一番の話題の藤想『ケモ夫人』

つくみず

鬼頭莫宏

あたりの超大手は買えず…。

立藤ともひろ『限界!富士登山日記』

とにかくページ開いただけで圧がすごい立藤ともひろさんの富士登山レポマンガ。本当に一瞬で売り切れていた。登りながら一息ついていくときのデフォルメされた顔がどれもかわいい。そこはかとなく黒田硫黄を思わせるタッチ。あとがきを読んではじめて富士山が女人禁制だったことも知りました。そしてその禁止を破り富士山に登った『高山たつ』なる人物もすごい。


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