愛猫5匹をうまく撮るために昨秋、ミラーレスデジタルカメラを購入したミキ・亜生が、カメラマン・大槻志穂さんから撮影技術を学ぶカメラ連載。これからは本誌とWeb、どちらでも本連載をお楽しみいただけます!
第5回前編では、露出を使って光量で写真を表現する方法を学びました。
編集/竹村真奈
取材・文/高本亜紀
撮影・撮影指導/大槻志穂
連載「感度ゼロからのスタート」過去記事はこちらから
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露出のプラスマイナスで写真の雰囲気は変わっていく
亜生 今日もよろしくお願いします。いろいろと学んだおかげで、撮りたいものがだいぶ撮れるようになってきました。
大槻 よかったです! そういう中で、撮っていて足りないなと思うことも出てきたんじゃないですか?
亜生 色味とか距離感とかですかね。どうやっていいのかまだわからなくて。
大槻 今回は「明るさで印象を操る」をテーマに露出を勉強してもらおうと思います。
亜生 出た! 唯一わからんかったヤツや!
大槻 本当ですか? 一番簡単だと思いますよ。
亜生 露出って言われても、これをどうしたらどういう色味になるとかがまったくわからないです。いろいろと調べたんですけどね。
大槻 露出は撮影するときにカメラに取り込まれる光の量なんです。だから色味というより、明るくなったり暗くなったりを調整するものということですね。例えば、同じライトと同じ被写体で撮っても、露出を上げるか下げるかによって写真の雰囲気はまったく違うものになるんです。
亜生 そうなんや。今、露出はオートでやってるんですよ。例えば(画面を見て)明るすぎるなと思ったら、暗いところにピントを合わせて露出を取ってから元の位置にピントを合わせて撮るようにしてるんですけど。
大槻 オートだとカメラが測った適正露出になってしまうんですけど、カメラのダイヤルを使って自分で調整することもできまるんです。適正露出というのは肌色がきれいに出たり、グレーのアイテムがちゃんとグレーで写る光量で撮れてますよっていうこと。黒は潰れず、白飛びしない具合がそれです。
亜生 なるほど。これがマイナスになると暗くなって、プラスになると明るくなるんですね。(画面でプラスマイナスに動かしながら)マイナスになると、ちょっと寂しい感じに写りますね。
大槻 そうです、そうです。例えば、鉄とかゴツゴツしたものを暗めに撮れば、金属のかっこよさが表現されるわけです。一方、例えば女性を撮るときは露出を上げたほうが柔らかく見えます。
亜生 たしかに、ほんわかした空気感になりますね。
大槻 例えば、目の前にある麦茶の入ったペットボトルを撮ってみましょうか。
亜生 これ、プラス1でいいんですか? プラス2くらいにしてもいいんですか?
大槻 全部やってみて、自分が好きな露出を見つけてください。プラスに補正すると、透け感が出てきたりしますから。
亜生 なるほど。(撮ってみて)当たり前のことですけど、露出が変わるとISOも変わっていくんですね。
大槻 自動でカメラが変えてくれます。ISOがなぜ変わるかというと、暗いところで明るく撮ろうとするとシャッタースピードが遅くなってブレやすくなるから。ただ、ブレ感が出るのもあえて狙ったのだとしたらアリですよね? だから、自分で露出を変えてみて、どういう写真が好きなのかを知ってください。
亜生 わかりました。麦茶でいうと、僕が好きなのはプラス1。麦茶はお昼が似合うので、明るく撮りたいなと思いました。( 撮ったものを見返して)……へぇ! 露出が変わるとたしかに印象はかなり変わりますね。
▼撮影:亜生
大槻 あと、ISOだけではなく、露出はシャッタースピードにも影響があります。亜生さんはAVという絞り優先で撮っているので、絞りは固定されたままでシャッタースピードが自動で調整されてるんですけど、試しに亜生さんを撮ってみますね。……これがマイナス2です。
▼マイナス2で撮影したもの
亜生 おぉ、渋っ! 手に職人っぽさを感じますね。
大槻 重厚感が出ますよね。で、露出をちょっとずつ上げると暗かった背景が見えてきますよね? で、マイナス1から適正露出へ。周りが完全に明るくなって、肌もきれいに見えます。さらに露出を上げると今度は背景が白飛びしていきますよね。しかも、シャッタースピードが遅くなるのでブレてしまうんです。
亜生 なるほど! めちゃくちゃわかりやすい!
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