見上愛×青木柚『往生際の意味を知れ!』インタビュー 3度目の共演だからこそ生まれた信頼感と緊張感「全てを見透かされるようで怖いんです」

「元カノと結婚したいです」合コンで好きな女性のタイプを聞かれ、真っ直ぐに答える主人公・市松 海路。市役所に公務員として勤めながら、7年前に付き合っていた元恋人・日和のことを忘れられず、彼女との思い出の品に埋めつくされた部屋で暮らしている。そんな彼のもとに突如現れた日和は7年前と変わらない柔和な笑みを浮かべながら彼に告げる。「市松くんの精子がほしい」。

                                

登場人物たちによる「執着」にも近い、複雑で切実な心理描写と驚きの展開が続くストーリーが多くの読者の胸を打つ人気コミック『往生際の意味を知れ!』(『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載中)が、MBS/TBSドラマイズム枠にて実写ドラマ化。

       

今作のW主演を務める、日下部日和を演じる見上愛と、市松海路を演じる青木柚にインタビュー。三作目の共演となる二人にそれぞれの印象や撮影裏話、役への印象について話を聞いた。(インタビューの最後には直筆サイン入りポラの抽選プレゼント企画も実施中。詳しくは【プレゼント情報】欄をご覧ください。)

取材・文/編集部
撮影/柴崎まどか

見上 愛(みかみ・あい)
●2000年10月26日生まれ。東京都出身。2019年デビュー。ドラマ『liar』では、Twitterトレンドに入るなど注目を集めた。現在公開中の映画『レジェンド&バラフライ』に出演。

青木 柚(あおき・ゆず)
●2001 年生まれ。神奈川県出身。映画『14 の夜』(16)で注目される。主な出演作にドラマ『きれいのくに』(21)、『カムカムエブリバディ』(22)、『最初はパー』(22)など。

見上「青木さんは日和にひっかかりそうだよね」
青木「確かに。振り回されるような状況そのものを楽しんじゃうと思う」


──今作はこれまで多くの著名人が話題にされている人気漫画が原作です。お二人が原作を読まれた時の印象を教えてください。

青木:日常にありふれているような「恋愛」を切り口にして物語が始まるのですが、想像できないような斬新な展開へと加速するストーリーに惹かれました。キャラクターも魅力的で、日和と市松が執着しあっている関係の滑稽さに可笑しさと愛らしさを感じます。

見上:私は原作コミックスが発売された時から、次巻が発売されるのが楽しみにしているくらい、追いかけながら読んでいたのですが、毎話ごとに裏切られる展開に面白さを感じていました(笑)。

──青木さんが演じる市松は早口で説明的な喋り方が特徴的なキャラクターですが、演じる際にはどんなことを意識されましたか?

青木:普段はリアルなトーンで会話することを意識して演じることが多いのですが、今作で演じる市松の喋り方はどこか説明的で早口──いわゆる“漫画っぽい”話し方をするのですが、今回の実写化では原作のキャラクターを再現することを目標にしたわけではなく、市松は日和に対して執着しているからこそ言葉が溢れてしまう、そんな市松の個性を考えながら演じていました。

その「説明的で早口な話し方」と普段の「他人と会話しているときのリアルなトーン」とのバランスは、意識しました。

カーディガン¥28,000、プルオーバー¥27,000、シューズ¥19,000/すべてzucca(A-net Inc. 03-5624-2626) パンツ¥28,600/DISCOVERED(03-3463-3082) 

ヘアメイク:Toyoda Yousuke(ROOSTER)スタイリスト:小笠原吉恵(CEKAI)

──お二人とも同じ歳ですが、原作では市松と日和には年齢差もある。年齢についてはどのように意識されたのでしょうか?

青木:撮影が始まったばかりの頃は、日和より年上に見られることを意識していたのですが、監督が「年齢設定も大事だけど“可愛らしさ”を見せてほしい」とおっしゃっていたんです。海路は真面目なトーンで話したり日和に心を奪われたりするように、色んな表情を持っているキャラクターだから、年齢が与える印象も大事だけど状況に応じて変わる表情を大事にしていきたいと。そこからはそれを意識しながら演じていました。とはいえ、表情がコロコロと変わるような可愛らしさを出すと年齢が若く見えてしまうので、その塩梅は難しかったですね。

市松は日和に振り回されていながら、時折頼りがいのある部分を見せるので、ふとした時に年齢の差を感じられたらいいなと思っていました。

──見上さんが演じる日和は何を考えているのか分からない、不思議な魅力を持った女性ですが、演じる際にはどんなことを意識されましたか?

見上:原作の雰囲気という意味では、ドラマにおいても私が演じる日和は何を考えているか分からないようなところがあり、私が原作を読んでいながら感じていた日和の不思議な印象を映像化したときにも感じてほしいと思っていたので、動きや喋り方で“漫画っぽさ”を意識しました。日和の感情が徐々に表れる後半ではリアルなトーンを出していって、そこに差をつけていました。 

①トップス/¥44,000-②パンツ/¥33,000-/①②共に(カナ)グリードインターナショナル(英)Greed International③チョーカー/¥50,600-/(カナ)プリュイ(英)PLUIE その他スタイリスト私物
[問い合わせ先]①グリードインターナショナル トウキョウストアTEL:03-6721-1310SNS:@greed_tokyo
②(カナ)プリュイ トウキョウ(英)PLUIE TokyoTEL:03-6450-5777SNS:@pluiehair

ヘアメイク:豊田健治 (資生堂)スタイリスト:下山さつき(クジラ)

──また見上さんのキャスティングについて、原作者・米代先生は「日和は見上さんしかいない」とコメントされていました。

見上:実は2年前に米代先生と当時の担当編集の金城さんと別のお仕事でお会いした時に「もし実写化したら日和を演じてほしいんだよね」とおっしゃってくださったんです。それを聞いた時はもちろん嬉しかったのですが、その当時の私はデビューして2年目の新人だったので、そんな重要なキャラクターを演じているイメージが具体的に描けなかったんです。それに原作を読んで、実写化することが容易ではない作品ということも分かっていたので、私が日和を演じられるなんて、ほとんど夢物語のように思っていました。

でも気づけばドラマ化することが決まり、監督がアベラさんに決まり、相手役を演じるのが青木さんに決まって…。どんどん色んなことが決まっていくうちに「ホントにやるんだ…!」と実感がわいてきました。喜びもありましたけど、期待を裏切れないなと勝手に責任感を感じていましたね。 

──(取材時から)3日前に撮影を終了されたとのことですが、役を演じていながら影響されたり変化したりしたことはありますか?

青木:見上さんは「(役が)抜けたな〜」って感じがするよね。

見上:自分では意識してなかったんだけど、みんなに言われてから気づきました(笑)。気持ちがとても軽くなっているのを感じます。

青木:僕はもともと市松のように自分の好きなことを話すときは早口になることがあって(笑)。だから撮影が終わってからも、その点においては大きな変化はないですね。

──お二人は今回で3度目の共演ですが、ご感想を教えてください。

見上:そうですね…。やっぱり「信頼できるな」と思いますね。どんな設定で向き合ってもすぐに受け入れられるので凄いことだと思います。それと同時に、全てを見透かされるようで怖いんです。

青木:え、怖い(笑)?

見上:「なんとなく」でやっていたらすぐに見破られると思うし、それを一度でもやってしまったら信頼してくれなくなる感じがするんだよね。信頼しているけど、対峙することが毎回怖くもある。

青木:それは俺も一緒だけどね。同じ思考でお芝居をするからこそ緊張感があると思う。初めてドラマで共演した時は10代だったけど、その時から3年が経ってお互いが色んなことを経験して。ありがたいことに今となっては芝居のことだけに集中していればいい立場ではなくなって、現場全体の雰囲気を考えないといけなくなったよね。

見上:確かに。お芝居をしていない時の現場での過ごし方とかもね。

青木:そういうことも含めて色んな面で、この人に「ガッカリされたくないな」と思うからこその緊張感がある。これまで言葉にしたことはなかったけど、それはお互い感じていたと思うし、それは初共演の方とは生まれない空気感だと思います。なにより過去の共演があったからこそ、この過酷な1ヶ月の撮影を乗り越えられたんだと思います。

──見上さんご自身は、市松がいたら惹かれますか?

見上:市松のように一途な人だったら「私も愛せるのかな?」と期待もありつつ、そこまで情熱を燃やせるものが一生続くとは思えないので不安になるかもしれません。

青木:なるほど。

見上:青木さんは日和にひっかかりそうだよね。引っかかることを楽しんでそう。

青木:確かに。客観的に見る癖がついているから、振り回されるような状況そのものを楽しんじゃうと思う。僕自身はあまり見たことないタイプの人に惹かれるから、日和みたいな人が近くにいたら「この人はどんな人なんだろう?」と興味を持って近づいてしまいそうだけど、健康でいたいから最終的には日和は選ばないんじゃないかな。

──最後にドラマの見どころをお願いします。

見上:私も1巻を読み終えた時もそうだったように、1話だけを見たらきっとワケが分からないと思います(笑)。その「?」の気持ちを持ったまま、2話以降も観ていただけたら、どんどん惹き込まれていくと思います。たくさんの疑問を恐れずに抱いてほしいです。

青木:きっと最初は「?」になると思うけど、一回捕まってほしいよね(笑)。ジェットコースターのような展開に振り回されることもあると思うのですが、手を離さずにいてくれたら、観たことない感覚へと連れて行ってくれる作品だと思います。


【番組情報】

ドラマイズム『往生際の意味を知れ!
MBS:2023年3月7日(火)深夜1時4分より放送スタート
TBS:2023年3月7日(火)深夜1時33分より放送スタート
※第1・2話のみ5分押し
<配信>
TBS放送後に、TVer、MBS動画イズムで見逃し配信1週間あり
Huluで見放題独占配信
原作:米代恭「往生際の意味を知れ!」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
出演:見上愛、青木柚
樋口日奈/三山凌輝/安斉星来、宮﨑優、遊井亮子
山本未來
監督:アベラヒデノブ
脚本:開真理、竹村武司
オープニング主題歌:TOOBOE「往生際の意味を知れ!」(Sony Music Labels Inc.)
エンディング主題歌:羊文学「FOOL」(F.C.L.S)
音楽:岩本裕司
制作プロダクション:イースト・ファクトリー
制作協力:SS工房
プロデューサー:上浦侑奈、松本彩夏、小林有衣子
製作:「往生際の意味を知れ!」製作委員会・MBS

公式Twitter:@dramaism_mbs
公式Instagram:@dramaism_mbs
公式TikTok:@drama_mbs


【プレゼント情報】

見上愛さん、青木柚さんのサイン入りフォトを
会員限定で各1名様に抽選プレゼント!

見上愛さん、青木柚さんの直筆サイン入りフォトをTV Bros.WEB会員限定、抽選で各1名様にプレゼント。ご希望の方は pipipi@tokyonews.co.jp 宛に、 件名に「見上愛・プレゼント」あるいは「青木柚・プレゼント」と書いて、本文に「①郵便番号・住所 ②氏名 ③年齢 ④TV Bros.WEB 有料会員登録時のメールアドレス ⑤取り上げてほしい番組・映画・本などの作品やタレント名」を明記の上、ご応募ください。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。 ご応募締め切りは2022年4月10日17時まで。

0
Spread the love