ロイヤルホストから違和感をこめて…06/3月号・高橋ユキ連載「貼り紙事件簿」

「つけびの村」の著者で「ロイヤルホストを守る市民の会」代表でもあるフリーライターの高橋ユキさんがお届けする、ブロス的社会派連載!
事件や報道を追う中で引っかかった“違和感”を、ロイホでひと息つきながら軽妙に綴ります。
(マイブームメニューの紹介つき、みんなもロイヤルホストを守りに行こうね!)

写真・文/高橋ユキ
編集/西村依莉

スタンダードチョイスのひとつ、十勝あずきクリームあんみつ。春にはいちごバージョンがあるらしい。

 

 交番の前を通るとき、指名手配犯のポスターを眺める。もし発見したら通報しようとその特徴を頭に入れる。同じように道を歩く時、人の家にお邪魔した時、つい眺めてしまうのが、不思議な主張をしている看板や落書き、貼り紙などだ。

 何度も書いているのでしつこいかもしれないが、私は普段裁判所に通い、主に刑事裁判を傍聴している。霞ヶ関にある東京高等地方簡易裁判所合同庁舎前にはもうだいぶ前から、主張の強い、しかもかなり大がかりな手書き看板が掲げられている。だが驚いたのは最初だけ。いまではその看板に慣れてしまい風景の一部として認識してしまっている自分がいることに気づく。

 手作りの貼り紙、落書き、ポスター、看板……人が他者に見せるために掲げているメッセージには、その人の強い思いが込められている。思いを込めるあまり、分かりやすく伝えるということが疎かになっている場合もある。そこにまた、作者の熱量を感じ取り、ときに不穏さも感じる。

 事件や行方不明者捜索などに関心がある方々の間で最も有名な手書きメッセージといえば「洋子のはなしは信じるな」ではなかろうか。テレビ朝日で夕方に放送されている『スーパーJチャンネル』での事件深掘りコーナー「真実の行方」においてかつて、1994年に失踪した女性についての特集が組まれた。その際、家族へのインタビューが行われている部屋にあったのが「洋子のはなしは信じるな」という謎の手書きメモだった。洋子というのは失踪した女性の姉のことである。

 このメモについては放送時から、あれは一体何だ、とかなりザワつかれた。放送からすでに10年が経っているが、いまでもYouTubeなどに解説動画や真相考察動画がアップされている。謎めいたメッセージはいつも人の心を惹きつけるのだ。

 最近も、このメモを見た時と似た感情を呼び起こさせる不穏なニュースがあった。

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